オルガンパイプカクタス

(Organ Pipe Cactus)

　オルガンパイプサボテンは成木で樹高約5ｍに達する大型のサボテンである。大きな特徴は根元で枝分かれした幹が地面から何本も伸びていることで、その様子が教会のパイプオルガンのパイプみたいに見えることから名づけられた。
　本種は主にメキシコのソノラ砂漠に自生し、アメリカ国内では稀な存在であり、メキシコ国境沿いのアリゾナ州南西部でしか見られない。その稀少なサボテン及び乾燥地に適応して棲息する動植物を保護するため、1937年に国立記念物に指定されたのである。
　園内の大部分は道もない荒野であるが、ビジターセンターから東西にそれぞれ未舗装の道路が伸びており、特に東側のアホ・マウンテンドライブ（Ajo Mountain Drive）は一周約34kmのループ状の周遊路で、未舗装ながらよく固められて普通車でも十分通行可能。沿道では名前の由来であるオルガンパイプと並んで、幹の中途で枝分かれするサワロの雄姿を間近で見られほか、乾燥した環境に適応した潅木の種類も多く、一見不毛の地に見えても意外と緑豊かな土地であることがわかる。また、荒々しいアホ山脈の風景も楽しめるルートである。
　なお、ここはメキシコ国境から近いため、警戒が非常に厳重である。特に外国人は厳しく調べられるので、不要な荷物は携行せず、不審を招く行動は絶対に慎みたい。

　本項ではおまけとして、オルガンパイプカクタスへ訪問の起点、アリゾナ南部最大の都市トゥーソン（Tucson）郊外にあるスペイン時代の遺産、サンゼイビア・デル・バク教会も紹介する。

行きやすさ　　★★☆☆☆
感動度　　　　★★★☆☆
スケール　　　★★★☆☆
ユニークさ　　★★★☆☆
写真写り　　　★★★★☆
一口コメント：乾燥地にも意外に豊かな植物相があるのがわかって楽しいところ。