ラスベガス

(Las Vegas)

　ネバダ州南西部、砂漠地帯に忽然と現れる都市。しかし、アメリカでも最も乾燥した地域の一つであるこの一帯は、長い間ほとんど人の住まない砂漠であった。
　19世紀後半、ネバダ州各地で金、銀などの鉱山が造られ鉱山景気に沸いたものの、20世紀に入って枯渇による鉱業の衰退に直面した州は、大恐慌の影響もあって1931年に賭博を合法化。そして同じ頃行われた巨大プロジェクトであるフーバーダムの建設現場に近いラスベガスは、多くの労働者などが集まって発展のきっかけをつかんだ。
　ダムの完成後は豊富な水と電力のおかげでカジノホテルの建設が進み、また、カジノ客の誘致のため有名人のショーを開催するなどして、娯楽の殿堂として急速に発展していった。
　その過程でマフィアの影響力も増大したこともあったが、後に取締りの厳格化もあってほぼ失われていった。そして、ギャンブルのイメージを払拭して家族で楽しめる健全な娯楽の街とするため、1990年代に巨大なテーマパーク型ホテルが次々と建設され、趣向を凝らした新しい街が南へと広がっていった。
　一方、2000年代に入って再びラスベガスは高級な大人の社交場を指向するようになり、超高級なホテルやレストランが次々誕生するなど、常に時代のトレンドを追い求めて変化し続けているのである。
　また、この街は世界有数のコンベンションシティの側面を有し、大規模な会議や見本市が頻繁に開催され、かつスーパーボウルなどの各種スポーツイベントもよく行われる。それがカジノをはじめとする娯楽施設と相乗効果を生み出し一層の賑わいを創出しているのである。
　近年カジノ世界一の座をマカオに譲り渡したラスベガスだが、何もない砂漠からわずか100年ほどの間に光あふれる都会となったこの街はエンターテイメントの歴史そのものと言え、魅力が損なわれることは決してないだろう。

規模　　　★★★☆☆
活気　　　 ★★★★★
居心地　　★★★☆☆
観光名所　★★★☆☆
交通の便　★★★☆☆
一口コメント：遊ぶことが目的ならこれ以上の場所はない。