５日目 （6/20） ザンビア国道１号線

日食前日の今日、朝5時に起きて、せっかくの高級ホテルを一泊だけで慌ただしく去り、バスで観測地ルサカを目指す。飛行機ではなく、陸路移動なのが嬉しい。特に国境越えは日本人には外国ならではの醍醐味がある。
その国境は出発後すぐにあり、まずジンバブエ側のイミグレで停車。車内で待機している間に全員のパスポートを集めて一括して手続を行う。そして滝のすぐ下流にかかる橋を渡った所でザンビアの建物がある。こちらでは車から下ろされ、寒い中しばらく待たされる。一体どうなるのか不安になりかけた頃、入国手続が終わったのかパスポートを返され、ザンビアのバスに乗り換える。

国境の町を出てからは、ルサカまで440kmの単調な一本道をひた走る。一応舗装されていて、車はほとんど通らない。両側はミオンボというマメ科の疎林が地平線まで続く平坦な大地で、単調なうえ、このブラジル製のバスは5人掛けのためとても窮屈だ。しかも非冷房なので日が高くなるにつれ暑くなってきて、なかなかきつい移動だ。
それを考慮してか、途中2回小さな町（地図を見ると、KalomoとMonzeという町らしい）でトイレ休憩のため止まり、車外に出ることができた。するとよっぽど外人が珍しいのか、大人も子供も次々集まってきて私たちを見ている。娯楽の少ない田舎の人々にとってちょっとした非日常の時間だっただろう。また我々にとっても、アフリカの無名の町を見るという貴重な経験となったのである。
やがて走るにつれ、畑や集落が増えてきて首都が近づいた気配が感じられる。どの町もくたびれた建物の前に、所在なげに人々がたむろしているのが印象的だ。

そして昼過ぎ、ルサカの街はずれで国道をはずれ、いきなり木の枝をかき分けて小道に乱入。一体どうしたのかと不安になったところ、リゾート風のホテルに到着して昼食となった。プールのある庭で、木陰の涼しさが気持ちよく、バイキングの料理も今までで一番うまかった。
そこから市内はすぐで、ビルも何軒かあって工場も建っており、一応首都らしい。それでもバスが珍しいのか、みんな手を振っている。

15時30分、やっと市内西部にあるホテルに到着。我々星ナビツアーはコテージ風の離れにあてがわれる。さすがに質素な建物で、風呂はシャワーのみ。窓が閉まらなかったり、テレビは棚だけで本体がなかったりするが2泊ぐらいでは別に苦にならない。むしろこの方がアフリカらしくていい。
日が沈むと今晩もみんな南天の観測を始める。空気が乾燥しているせいかいきなり寒くまるが、私もめったに見られない星座を探す。南十字は言うまでもなく、じょうぎ・コンパス・カメレオン・はえ座等も確認できて上機嫌で床についた。