３日目 （6/18） アフリカの果て

今朝も昨日と同様、時折小雨のぱらつく陰うつな空模様。初めて見る大西洋も寒々しい灰色をしている。日本の冬よりはかなり暖かいものの、いかにも冬の海という感じだ。

最初に市街を抜けた所の漁村で観光船に乗り込み、岩礁にたむろするオットセイの集団を見た後はケープ半島をバスで南下。ケープ自然保護区に入ると、一面の原野、その先に見え隠れする海が車窓に広がって、だんだん回復してくる天気もあいまって期待感がふくらんでくる。そして12時頃半島の最先端、ケープポイントに到着。驚いたことにこんな所にケーブルカーが走っており、それに乗って頂上の展望台を目指す。
強い南西の風が吹き付けて寒いが、展望台からの眺めは言葉にならないほどの絶景で、晴れてくれて本当にラッキーだった。眼下には小さな砂浜、振り返れば起伏の激しいケープ半島の岩山。正面は大西洋とインド洋が一つになる大海原。この先数千kmに南極大陸があると思うと感慨深い。本当はアフリカの南端ではなく、看板にも南西端と記されているが、最果てムード満点の名所と言えるだろう。

まる１日でも滞在する価値のあるケープポイントだが、急ぎのツアーゆえ1時間足らずで立ち去り、次に半島東岸のボルダービーチ着。ここはペンギンの生息地として有名で、整備された木道を歩いて浜辺まで行ける。砂浜や海中にはペンギンがうじゃうじゃいて、中には灰色の羽毛に覆われた雛の姿も。人間慣れしていて写真も撮りやすい。

その間に冬至間近の太陽は早くも西に傾き、せかされるようにケープタウンに戻って、テーブルマウンテン近くの丘で日没を見た後、ウオーターフロントのレストランで食事。同じテーブルに居合わせた人同士すぐに打ち解け、日食談義が盛り上がるのがいい。