■ ラスベガス・ベラージオの噴水ショー
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ロサンゼルスでの入国審査は「Holiday?」、「How long?」と聞かれただけで問題なく終わる。それよりも荷物が出てくるのが遅いことにいらいらさせられる。結局荷物を受け取り税関の手続きを終えたのは13:20、そこから速攻でシャトルバスに乗ってターミナル1に向かうも、着いた時は出発20分前の13:45になってしまう。搭乗はすでに締め切られ、アメリカウェスト航空の係員に「Too
late!」の一言のもとに次の便に変更させられた。それでもまだ便数の多い区間でよかった。これが一日一便しかないような区間なら今後の予定が大幅に狂うところだ。
ラスベガス(Las Vegas)の空港は、ターミナル内の待合室にもたくさんのスロットマシンが並んでいる。さすがカジノ天国、いきなり驚かされる。
ターミナルビルを出た所のタクシー乗り場にはたくさんの客が列をなしていて、かなり待たされる。今日泊まるトロピカーナ(Tropicana)ホテルに到着した時は17時を回っていた。そしてホテルのチェックインカウンターにも長蛇の列ができていて、自分の番が回ってくるまでに30分以上並ばされた。そのわりに空室が多いみたいで、無料でアップグレードしてくれ、ストリップ（大通り）沿いの部屋に変更となる。窓からラスベガスらしい趣向を凝らしたホテル群が見えて楽しい。
一休みしたら次第に暗くなってきたので、三脚を持ってラスベガスを代表するカジノホテルが並ぶ目抜き通りのストリップへ繰り出す。まずはトロピカーナを出たところで、交差点の反対側に建つニューヨーク・ニューヨーク(NYNY)を眺める。ビル群や自由の女神の間をジェットコースターが走り回る遊び心満点の建物は、夕闇の中ライトアップされてとても絵になる。その南側のエクスカリバー(Excalibur)はおとぎの国の城がテーマとなっていて、白亜の壁と赤や青のとんがり屋根がいかにもメルヘンチック。
そこからストリップに沿って北へと歩いていくと、とてもたくさんの人が歩いていて賑やかだ。人通りが多いので危険を感じることはないが、道端でポルノショーのチラシを配っている男が多いのが少しうっとうしい。
沿道に建つホテルはどれもやたら大きく、一軒隣に行くのに数分はかかる。試しに中へ入ってみると、内装もかなり豪華で度肝を抜かれる。さらに北上すると、輝くエッフェル塔と凱旋門がフランスへの憧れをかきたてるパリス(Paris)、巨大な池に面した四角い壁が湖畔のリゾートを連想させるベラージオ(Bellagio)、火山を模した噴水の奥に黄色くライトアップされた十字型高層ビルが鎮座するミラージュ(Mirage)など、ここならではの楽しいホテルが続き、ゆっくり時間をかけて夜景撮影にいそしむ。
22時前になったので、あまり遅くなっては危険と思い、最後にベラージオの噴水ショーを見るべく池の前で待機。時間になると、音楽に合わせて池の中に設置された噴水が動きだす。吹き上がるたくさんの水柱はある時は回転し、またある時はウェーブを描き、時に強くまた弱く、とてもリズミカルに乱舞する。アメリカのポップスは全くわからない私でも、水とメロディーの競演にすっかり魅了され、終了までのひととき夢見心地を味わえた。
わざわざカジノの客寄せのために学校のグラウンドほどある大きな池を造り、連日通行人に無料で噴水のショーを見せる、圧倒的な物量作戦には、ばかばかしさを通り越して素直に感動。その他のテーマホテルも、ちゃちな模倣にとどまらず、新しい本物を創り上げる意気込みで大金と労力をつぎ込んださまを見ていると、これはこれでかけがえのない観光資源だと思えてくる。ここに来るまで、ラスベガスなんて単なるバクチ場、ただグランドキャニオンに一番近い大都市なのでやむを得ず立ち寄るという思いだったが、この街のことを見直した。
トロピカーナに戻ったのは23時前、歩き回っていい加減疲れてきたが、折角ラスベガスにいるのだから、観光の一環としてカジノをやってみる。とは言え全くの初心者なので、言葉も駆け引きも不要なスロットマシーンしかできず、一階のロビーに無数にあるうちの一台の前に座って25¢硬貨を投入。
すると一分もしないうちにいきなり大量のコインがドバーと出てきた。これがかのビギナーズラックというものか。疲れて眠いので、早くコインを使い切って部屋に戻りたいと思いながら適当に回すが、大当たりこそなくなったものの小さな当たりがしょっちゅう出て、なかなか減らない。ラスベガスのカジノは本場だけあって払戻率が結構高いのか？
0時を回ってもう限界に達したので、余ったコインを両替して部屋に戻る。勝ったとはいえ、所詮小銭なので$40にも満たないが、負けるよりはいいに決まっている。また、手元に残した25¢硬貨を見ると、通常のものの他にアメリカの各州にちなんだ絵柄のコインがたくさん入っている。なじみの少ない東部の州のものばかりだが、精密で個性的な絵柄は実に楽しく、金額以上にいろんなコインが得られたことが大きな収穫であった。
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