トゥームストーン

(Tombstone)

　アメリカの西部開拓時代は1848年、メキシコから割譲された直後のカリフォルニアで金鉱が発見され、ゴールドラッシュと呼ばれる急激な開発と人口増から始まったことは知られている。
　このような現象は19世紀後半のアメリカ西部の各所で起こり、アリゾナ州南西部に位置するトゥームストーンも、銀鉱の発見がきっかけとなり乾燥した丘陵地帯に突如形成された町である。地名の由来も、先住民の攻撃にさらされる危険で過酷な環境から付けられたものである。
　こういった新開地は統治・秩序の確立が追いつかず、アメリカ人の武装自衛志向もあり、かつ流入する一旗組の中には無法者も数多く、些細なトラブルによる暴力事件が頻繁に起こって治安が悪いのが常であった。
　そうした情勢下で1881年に当地で起こった銃撃戦は、OKコラルのガンファイトとして映画化され、西部開拓時代を象徴する出来事として後世に知られることとなった。
　しかし、トゥームストーンの黄金時代はすぐに幕を閉じることとなる。急速な人口増によって形成された安普請の木造家屋は火災に弱く、相次ぐ大火で荒廃し、銀鉱の枯渇もあいまって急速に衰退、コチーズ（Cochise）郡の郡庁も1929年に銅鉱山のあるビスビー（Bisbee）に移転してしまった。
　このため、西部開拓時代の町並みが開発にさらされることなく現代まで残ることとなり、近年では西部劇ファンをはじめ多くの観光客が訪れ、観光地として甦ったのである。

規模　　　　★☆☆☆☆
活気　　　　★★☆☆☆
観光名所　　★★☆☆☆
居心地　　　★★★★☆
交通の便　　★☆☆☆☆
一口コメント：旅の主目的地にするほどの場所ではないが、アメリカ西部の歴史を象徴する町として寄り道の価値はある。