カンペチェ

(Campeche)

　1540年にスペイン人征服者によって築かれた、メキシコ最古の港町の一つ。スペイン本国との交易の拠点として重要な都市であったが、カリブ海に跋扈する海賊の攻撃を頻繁に受けたため、1686年に強力な要塞を建設して防御することとなった。
　旧市街を囲む六角形の城壁の角には砦が築かれたほか、街から離れた丘の上にも二ヶ所の要塞が設けられた。現在は埋め立てにより海岸が少し後退したものの、これらの要塞は良好な状態で現存し、碁盤目状の街割りが残る城壁内には鮮やかな原色に塗られた箱型の民家が多数残っている。それゆえ、カリブ海を荒らしまわった海賊の脅威と植民地時代の歴史を知ることができる貴重な街として、世界文化遺産に指定されている。
　なお、カンペチェとはスペインの征服以前にあったマヤ人の町の名に由来し、その意味は「蛇とダニの地」だと言われている。もっとも、現在のカンペチェにはそんな瘴癘の地といった雰囲気はなく、カラフルな家並みに降り注ぐ陽光があふれる美しい街である。

規模　　　★★★☆☆
活気　　　 ★★★☆☆
居心地　　★★★★☆
観光名所　★★★☆☆
交通の便　★★☆☆☆
一口コメント：開放的なラテンの雰囲気とかわいらしい家々が心地よい。