北マリアナ連邦ではサイパンに次ぐ面積（102km2で、伊豆大島より一回り大きい。）をもち、サイパンとはわずか幅5kmほどの海峡を隔てて隣接している。そのため互いにその姿を見ることができ、サイパンの中心ガラパンからは高速船で50分でたどり着くことができる。（現在船便は廃止されたとの情報あり。）
　マリアナ諸島では珍しく山らしい山はないが、海岸は荒々しい隆起さんご礁で覆われている部分が多い。集落は島の南西部に一ヶ所あるのみで、サイパンから来るとずいぶんのどかな空気が漂っている。カジノのある大型ホテルが一軒あるが、観光客もあまりやって来ない。その分透き通った南の海を邪魔されずのんびり楽しむことができる島だ。
　そんなのどかな島だが、第二次大戦末期には日米両軍の間で激しい戦闘がおこり、追い詰められた日本人が玉砕した悲しい歴史をもっている。そしてこの島を占領した米軍はサイパンと共に日本空襲のための基地とし、二発の原爆もここから飛び立った爆撃機により投下されたのである。