２日目 2009.2.8（日）
エアコンが効きすぎて一旦目が覚めたが、弱めた後はよく眠れた。今朝はゆっくりすると決めていたので8時過ぎに起床。カーテンを開けると、外は晴れているがスモッグや埃に覆われ、日差しが弱い。
今日は12時までに空港に行く必要があり、それまでにシャツや地図等を買いたい。しかし、重い荷物を背負って街の中をウロウロなどできないので、結局ホテルでタクシーを頼むしかない。都心にあるショッピングセンターのスペンサープラザを経由し、そこで1時間待ってから空港への送りで800ルピーもかかる。これが連泊なら小荷物だけ持って身軽に出かけられるのだが、短期旅行のせわしないところである。
スペンサープラザは端から端まで歩いて5分ほどかかる大規模なものだが、日本各地にあり、東南アジアにも増えてきたショッピングモールほどしゃれた雰囲気はなく、テナントは量販店より小さい個人商店が主体のようだ。特に服や装飾品の店が多く、船場センタービルを大きくしたような感じである。
ちょうど10時の開店時間に着いたので、次々とシャッターが上がるのを見ながら、書店でタミルナドゥ州の地図と絵葉書を買い、適当な店でクルターと呼ばれるシャツを一着150ルピーで買う。
11時に車に戻り、ここからまっすぐ空港を目指す。ドライバーはコルカタ近くの出身で、英語のほか、インド各地の10以上の言語をしゃべれるとのこと。日本に来たら仕事はあるか等を訊いてきた。
予定通り12時に空港到着。チェックイン前に入口で預入れ荷物をスキャンされる。これから乗るティルチラパッリ行きは、何と最終目的地がアラブ首長国連邦のシャルジャーとのことで、国内客と国際客が混在している。ティルチまでの客も国際線入口から入るが、出国審査場脇の通路を素通りして保安検査場で外国までの客と合流するという、今までに経験したことのない仕組みが面白い。
機体はA320で、満員。1時間足らずの短区間でも機内食があり、全員ベジタリアン食でレモン味のご飯にやたら甘いインド菓子が出た。
ティルチラパッリ(Tiruchirappalli)空港は予想通り小さくのどかなもので、タラップを降りて徒歩でターミナルビルへ。こんな場所に国際便が就航しているのが信じられない。
ひとまずビルの外へ出ると、タクシーやリクシャーの客引きが集まってくる。150ルピーでタクシーに乗ってバスターミナルへ。
このターミナルがやたら広く、ものすごい雑踏と散乱しているゴミで気が滅入る。しかも案内の看板類はほとんどないうえ、バスの車体に記された地名もタミル語ばかりでさっぱりわからない。中国を旅行する欧米人の気持ちがわかったような気がする。唖然として立ちすくんでいると、幼い子供の乞食がまとわりついてくる。かわいそうだが、一人に施すと次々集まってきて厄介な事になるので、あえて無視。
そのうち、一人がタンジャーブル行きのバスはこれだと教えてくれ、その男と一緒に乗り込む。運賃も15.5ルピーだと教えてくれたのでとても有難い。
バスは三人掛けで、膝の上に荷物を抱えて座るのでとても窮屈。しかし次から次へと乗ってきて立ち客まで出たので、座れるだけまだ楽と言えよう。
15:40に発車し、初めのうちティルチ市街を走るが、民家の軒先で野良牛が餌を食べているのを見た時はちょっとしたカルチャーショックを感じた。子牛を含めてあちこちに牛が寝そべっており、街の風景にすっかり溶け込んでいるのがすごい。
しばらく走って家並みが途切れると、広々とした田んぼが広がる農業地帯になる。途中の道路はずっと改良工事中で、路面が荒れている所もあるが、そんな所でクラクションを鳴らしまくっての追越し劇を繰り広げるので、遊園地の乗り物みたいによく揺れる。
一時間強走って17時前にタンジャーブル(Thanjavur)に着く。ティルチよりもだいぶん小さい街で、ターミナルも小ぢんまりしてひどい雑踏もない。ターミナルが街の中心から離れているせいで、リクシャーの世話になるしかないのが難点だ。
とりあえず、ガイドブックで目星をつけていた中級ホテルに行ったところ、なんと満室。少し北にあるライオンシティホテルに行くと、600ルピーの部屋が空いていたのでそこに泊まる。大通りに面していてうるさいが、奥の方のましな部屋は全てふさがっているとのことで、仕方がない。
荷物を置いたらもう17:30、日は低くなっているので観光は明日にして、暗くならないうちに夕食を食べに出かける。
田舎だけあってみすぼらしい身なりの人も多く、道路も歩道と車道が区別されていなかったり、道端に物が置かれていたり瓦礫が積もっていたりと、あまり歩いて楽しい所とは言えない。しかもこの街、レストランがあまり見当たらず、歩き回ってようやくベジタリアンの店を二軒発見、そのうちの一ヶ所で野菜ビルヤーニを食べる。
初めは量が少ないと思ったが、ピーマンと勘違いして青いトウガラシを丸かじりしてしまい、一発で口内が過熱して食欲を失ってしまった。ただし、ビルヤーニ自体は別にまずいわけではない。
食べ終わるとちょうど日没。隣接するモスクからアザーンの声が高らかに響いてくる。
程なくして部屋に戻り、くつろいでいると蚊にやられた。早速関空で買ってきた電池式の携帯ベープを使うと、いつの間にかいなくなったみたいで助かる。
インドでは相当の高級ホテルでもない限り湯のシャワーがなく、ここも水しか出ないが気温が高く、水もぬるいので水浴びしても風邪を引かずにすみそうだ。ちょっと早め、22時頃に就寝。
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