ミルドゥラ／ウェントワース

(Mildura/Wentworth)

　オーストラリアンアルプスに源を発し、大陸南東部をビクトリア・ニューサウスウェールズ両州を隔てながら西へ流れるオーストラリア最長の河川、マレー(Murrey)川。19世紀半ばから、開拓が進むにつれて、羊毛などの産物を運ぶ交通の大動脈として多数の蒸気船が行き交い、川沿いに建設された港町は大いに繁栄した。
　20世紀に入って鉄道網が発達すると河川交通は下火になっていったが、ミルドゥラは灌漑によるブドウ・オレンジ等果樹栽培の発展により移民が続き、現在は人口3万人を超えるビクトリア州北西部最大の都市となっている。
　小さくまとまった中心部には20世紀前半のアールデコ建築がいくつか残るほか、往時を偲ぶ蒸気船クルーズが観光客の人気を集めている。また、世界遺産登録後、マンゴ国立公園のゲートシティとして訪問する観光客も増えているようである。

　ミルドゥラの西約30kmに位置するウェントワースは、ニューサウスウェールズ州西部からクイーンズランド州南部の一部にかけて広大な流域を擁する、マレー川最大の支流ダーリング(Darling)川がマレー川本流に合流する地点に位置している。
　その立地条件から、1853年の蒸気船就航以後、地域の行政・商業の拠点として賑わいを見せた。だが、河川交通が主役の時代が終わると急速に衰退し、灌漑農業を中心とする静かで落ち着いた町として今に至る。
　この時間が止まったような町も近年は観光に力を入れており、二川合流点には公園が整備され、ミルドゥラ同様外輪船のクルーズが就航している。その他には、郊外の原野の中に突然現れるペリーサンドヒルズ(Perry Sandhills)と呼ばれるオレンジ色の砂丘もある。

規模　　　★★☆☆☆
活気　　　★★☆☆☆
居心地　　★★★☆☆
観光名所　★★☆☆☆
交通の便　★★☆☆☆
一口コメント：内陸をゆったり流れる川は大陸ならではの雄大なものと言える。