現地に行ったことのある人は少なくとも、誰もが知っている喜望峰。南大西洋に面したアフリカ大陸西岸が途切れ、東のインド洋へと向きを変える角にあたるこの地は、ポルトガル人ディアスがヨーロッパ人として初めて到達して以来、アジアへ向かう航海者にとって大きな目標であった。
　港町ケープタウンから喜望峰に向かって伸びるケープ半島は、起伏の激しい荒々しい感じの原野が続いている。この半島は世界でもこの付近にしか生育しない稀少植物が多いほか、野生動物も豊富で自然保護区に指定されている。
　そして半島の先端にケープポイントがあり、小さなケーブルカーに乗って頂上に立つ展望台（かつての灯台）まで登って行ける。
　頂上からの眺めはまさに感動的で、二つの大洋がぶつかる大海原と、背後に続く半島の岩山を一望に望むことができる。
　実際のアフリカ大陸最南端は150kmほど東に行ったアグラス岬なのだが、歴史的な知名度と最果てにふさわしい絶景から、南アを訪れる旅行者が必ず立ち寄る場所となっている。