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| ビンディン遺跡群の中で最も有名なのが、同地方の中心都市クイニョン（Quy Nhon、帰仁）市街地北西の郊外の丘の上にある銀塔（タップ・バンイット、Tap
Banh It）である。クイニョンでチャンパ遺跡と言うと、たいていはここに連れて来られる。 この遺跡は頂上の主祠堂を中心に、南側に宝物庫と碑文庫、東側に楼門の４棟が残っている。 ヒンドゥー教の遺跡ゆえ本来東側の楼門が玄関であったが、現在では南側が入口になっている。 入口から登っていくとまず現れるのが碑文庫。迫り出し構造の擬似アーチをくぐって通り抜けられる、寺院の山門のような建物である。装飾が少なくすっきりした外観だが、二層になった屋根にひょうたん形の飾りがたくさん取り付けられているのが目立つ。 （2005.3 撮影） |
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| 頂上に建つ主祠堂。この遺跡の中心となり建物だけに、高いだけでなく造形も凝っており、今はほとんど失われているものの漆喰による装飾が開口部周りに施されていた。また、上に行くほど小さくなる三層の屋根の周囲には、隅尖塔と呼ばれるミニチュアの塔が配され、複雑感を強調している。 そして高さは約22ｍとひときわ高く、丘の上にあるので遠くからでもよく目立つ。11世紀に建てられた当時はこの近くまで海岸が入り込んでおり、ビジャヤの都へ出入りする船舶にとってもわかりやすい目印となった上、チャンパ王国の権威を示すにも役立っていたことだろう。 しかし時は移り、ベトナム人の信仰の対象からはずれたチャンパの寺院は打ち捨てられ、崩れるに任せていた。近年になってようやく文化財保護の考え方が浸透してきたのか修復が始まったのだが、崩れた箇所へ真新しいレンガをそのまま積み重ねるといういいかげんなやり方で、元のレンガとあまりにも違和感があり過ぎるのが残念である。 （2005.3撮影） 北緯13度51分48秒 東経109度08分08秒 |
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| 主祠堂の南に隣接して建っている宝物庫。馬の鞍のような形をした屋根が特徴的で、明らかに他の建物と外観が異なり、垂直的な力強さよりも優美さが感じられる。 南側を除く三方に設けられた開口部は少しレンガが崩れ、装飾も失われているが、屋根の妻面には白い漆喰による装飾がまだ残っている。 ただし、宝物庫と言っても内部はがらんどうで、遠い昔チャンパの人々が神々の像に祈りをささげ、珍しい品々を奉納していた頃の様子をうかがい知るのは難しい。 （2005.3撮影） |
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