VLA

(Very Large Array)

　天体からの電波を観測するための電波望遠鏡は、電波の波長が可視光線よりもはるかに長いため分解能が低くなることから、大型のパラボラアンテナを必要とする。
　そして、複数の電波望遠鏡を組み合わせる開口合成という方法を用いることで、宇宙からの微弱な電波を捉えるためのより高い分解能を得ることができる。
　このような施設は望遠鏡間の距離（基線長）が長い方がより解像度が上がること、人工の電波によるノイズが少ない方が望ましいことから、ニューメキシコ州西部、ソコロ(Socorro)の西に広がる人口希薄なサンアグスティン(San Agustin)の平原に造られたのがVLA(Very Large Array、超大型電波干渉計)である。
　この望遠鏡群は直径25ｍのパラボラアンテナ27基で構成され、放射状に三本伸びた一辺21kmもの直線上にアンテナが配置されている。そして、観測目的によりアンテナをレールに載せて移動させるという、何ともスケールの大きな話である。
　何もない草原の只中にたくさんのパラボラアンテナが整然と並ぶ様はとても絵になる光景であるため、一般の観光客にとっても格好の撮影スポットであるとともに、いくつかのSF映画の舞台にもなっている。
　2012年からは電波天文学の創始者ジャンスキー(Karl Jansky,1905-50)を記念して、正式名称の冒頭にその名前を冠している。　

行きやすさ　　★★☆☆☆
感動度　　　　★★★★☆
スケール　　　★★★★☆
ユニークさ　　★★★★★
写真写り　　　★★★★☆
一口コメント：近隣に他の有名な観光地はないが、ニューメキシコをドライブする際はぜひ立ち寄りたい。