グランドキャニオン

(Grand Canyon)

　アメリカの国立公園と言えば真っ先に名前が挙がる、世界中に知られた大峡谷。この長さ446km、深さは最大約1800ｍ、幅は最大約29kmにも達する大峡谷は、スケールの大きさもさることながら、頂上の約２億3000万年前から谷底の約20億年前までの岩石が地層となって現れ、地球の歴史を体感できる壮大さからも驚嘆の念を抱かずにはいられない。
　グランドキャニオンの形成が始まったのは、これまで約500〜600万年前とされてきたが、近年の研究では約1700万年前に遡ると言われている。それ以来谷底を流れるコロラド川が浸食を続け、岩の固さや水流の勢いなどの違いにより複雑な地形を形成しながら、峡谷は深さを増していった。約120万年前にはほぼ現在の姿ができあがったと言われている。
　この地が国立公園に指定されたのは1919年とイエローストーンなどに比べて新しいが、すでに19世紀末から観光客が訪れており、1901年に鉄道が開通してから開発が進んだ。そして戦後のモータリゼーションとともに爆発的に観光客が増加、現在も飽和状態にあり、大気汚染の懸念も出てきている。
　とはいえ、一般の観光客が訪れることができるのは、南側（サウスリム）・北側（ノースリム）とも園内東よりにあるビレッジ周辺の一部分のみ、それ以外は手付かずの自然が残されている。とは言え、観光開発されているのは比高が最も高い地域、つまり最もダイナミックな眺めが展開される場所である。また、サウスリムの方が便利で宿泊施設も整い、よりダイナミックな景観が見られることから、ほとんどの観光客がサウスリムを訪れる。ちなみに、南北両岸は直線距離で約20kmしか離れていないが、当然峡谷を跨ぐ橋などなく、車で４〜５時間かけて遠回りしなければならない。

行きやすさ　　★★★☆☆
感動度　　　　★★★★★
スケール　　　★★★★★
ユニークさ　　★★★★☆
写真写り　　　★★★★★
一口コメント：壮大なスケールの風景は誰もが感動間違いなし。ハイキング好きならもっと楽しめる。