デスバレー

(Death Valley)

　最も低い場所で海抜-86ｍに達する、南北アメリカ大陸の最低点。アメリカ合衆国南西部からメキシコ北部にかけて、直線状の山脈と細長い盆地が交互に入り組むベイスン・アンド・レンジ(Basin and Range)と呼ばれる地形が見られるが、その数ある盆地のうちで際立った低さをもっている。
　海からの湿った風はいくつも連なる山脈に阻まれて届かないうえ、盆地の底に熱気が溜まるため、谷の中は非常に高温で乾燥している。年降水量は50mm以下、夏の昼間は50℃を超えることもある過酷な環境であり、それ故に死の谷と呼ばれるようになったのである。
　ただし、実際には見かけによらず乾燥に適応した生物が多数生息しており、それを保護するため1933年に国立記念物、そして1994年には国立公園に昇格した。公園の範囲はデスバレーのみならず周辺山脈や盆地を含む広大なもので、アラスカを除き全米で最も広い面積を有する国立公園となっている。
　したがって、園内には海抜-86ｍのバッドウォーターから3368ｍのテレスコープ山まで多様な地形が存在し、変化に富んだ景観が見られる。それらの大部分は4WD車と熟練した運転技能が必要な悪路の果てにあり、一般の観光客が気軽に訪問できる所は限られているが、それでも訪れる価値は十分にある。観光の際は、脱水症防止のため、常に水を補給するのを忘れずに。

行きやすさ　　★★☆☆☆
感動度　　　　★★★★☆
スケール　　　★★★★☆
ユニークさ　　★★★★★
写真写り　　　★★★☆☆
一口コメント：地形のバリエーションが豊富なので地理好きには楽しいところ。