アカテペック　サンフランシスコ教会 (Acatepec)

プエブラ市街には特産のタラベラタイルに覆われた美しい教会が点在しているが、郊外にも穴場的な教会が見られる。 　その一つがプエブラの南西にある小さな村、アカテペック(Acatepec)にあるサンフランシスコ教会で。1730年頃の完成と言われるこの教会、外壁はびっしりと茶色をベースに黄・緑・青などの色とりどりのタイルに覆われ、天気や光線状態の変化に合わせて微妙に色彩を変えてゆく。まるで教会全体が陶器でできているような鮮やかさをもっている。そして柱や聖人の像、複雑な形の装飾が見る者を引き込み、見る者を幻想の世界へいざなうようである。過剰なまでも装飾をもちながら、決して悪趣味ではない。 　カトリックと先住民の宗教観・美意識が一体となった壮麗なウルトラバロック様式教会の中でも有数の壮麗な教会が、あまり知られていないのは不思議であるが、この気高い教会は有名になりすぎて俗塵に汚されるよりは、このままひっそり村人を見守っていってほしい気がする。 　なお、アカテペックの少し北のトナンツィントラ(Tonantzintla)村にあるサンタマリア教会も、ここと双璧をなすウルトラバロックの傑作として、知る人ぞ知る存在である。残念ながら私はそちらへ行く時間がなかったので紹介できない。 （2005.12 撮影・D）

この美しさを語るのに余計な言葉は不要。ただ写真を見て壮麗なウルトラバロックの片鱗に触れていただきたい。そして機会があれば実物を見ていただきたい。これを見るためにメキシコまで行く価値がある。 （2005.12撮影・D）撮影ガイド ： この教会は西北西を向いている。そのため、惜しいことに乾季は完全に順光にはならない。上の写真は12月、日没間際に辛うじて一部に陽が当たる状態で撮影できたもの。夏至頃が最も撮影に適しているのだが、あいにくその時期は雨季で天気が悪い。

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