１日目 2010.12.4(土)
朝7:10に起床。休みなのにいつもの出勤日より早く起きるというのは、つらいものだ。出発前最終の支度をして7:40に自宅を出た後、新今宮からラピートで関空へ。土曜日だけあって、窓側の席はほぼ埋まっている。車内で持参したパンを食べ、関空に到着したのは8:40であった。
昨日までのすごい強風から一転して、今日は静かな晴天で視界も良く、空港から明石海峡大橋がはっきり見えている。空気がきれいな日の関空は、本当に景色が美しい。
冬の旅行ではいつものことだが、ターミナル一階の預かり所でオーバーを預け、身軽になって出国する。
ホーチミン行きVN941便の機体はA330。関空のベトナム航空カウンターには中高年ツアー客を始めとして結構人がいたのだが、そのわりに機内は空いていて半分強しか席が埋まっていない。この時期はシーズンオフなのか。
機内食は和食のうな丼をチョイスし、まずまずのもの。しかし、この飛行機、何とエンターテイメントが故障とのことで、映画を見たり音楽を聴いたりできない。発展中のベトナムだが、このようにメンテが行き届いていない辺り、まだまだこれからといったところか。仕方がないのでうたた寝をして時間をつぶす。
このフライトは台湾の南端から南シナ海を斜めに突っ切るルートで、所要時間5時間30分で現地時刻13:50にホーチミン・タンソンニャット空港に到着した。
この空港はそれほど便数が多くなく、混雑もない。そのわりに入国審査のブースはやたら多いので待たずに手続きできる。税関もフリーパスで、楽々と入国できた。
ターミナルビルを出ると、ムワッとした熱気に包まれる。機内放送では気温29℃とのことで、ホーチミンでは今が最もしのぎやすい時期なのだが、初冬の大阪から来るとやはり堪える。それに、天気が良くない。べったりとした中〜低層の雲に空が覆われ、ほとんど日差しがない。おかげで、折角の旅行第一歩をあまり気分の乗らない形で迎えることとなった。
タクシーに乗って30分弱で今日から二晩の宿、オスカーサイゴンに到着。都心の高層ビルだが、部屋のクラスは「デラックス」のくせに窓がない。確かに部屋は清潔で広く、居心地はよさそうなのだが。また、チェックイン時、フロントでパスポートを預けるよう求められたが、プノンペン行きのバスチケットを買うのに必要だと告げたら、コピーをとって返してくれた。
部屋に入って軽く休んでから街歩きに出る。残念ながら天気は良くなる気配がなく、まともな写真は撮れそうにない。腕が悪いと言われればそれまでだが、日が当たっていないとコントラストが出ないうえ、空の白さに負けて建物等被写体がどうしても暗く沈んだような写りになってしまうのだ。
それに、立ち止まって地図を見たりカメラを出したりした途端、しつこいバイタクの客引き等、誰かが常にまとわりついてきて実にうっとうしい。
そのため市内の撮影は諦めて、岸辺から滔々と流れる茶色いサイゴン川を眺める。ここでの見どころは川を横切ってやってくる渡し船。ちょっと大きめの船には大量のバイクが乗っていて、埠頭に接岸して柵が開くと待ってましたとばかりバイクの群れが一斉にスタートを切るところが、ベトナムらしくて面白いのだ。
時刻は16:45になり、暗くなる前にバスの予約を済ませるべくタクシーに乗ってデタム通りへ。タクシーはちゃんとメーターを使ってくれたのが嬉しい。
ツーリスト向けのゲストハウスや旅行会社が軒を連ねるデタム通りで、老舗のシンツーリストに入り、まず月曜のプノンペン行きバスの切符を予約。パンフレットには6:30と9:30発の二便が記載されているのに、実際には6:30発しかない。早朝の出発はつらいけれど仕方がなく、195000ドンで切符を購入。そして明日のカオダイ教寺院ツアーにも申し込む。こちらの代金は168000ドン。そう言えば五年前は外国人向けのツアー代金はドル建てだったのだが、今はドン払いに変わっている。それだけベトナム経済が発展し、自国通貨に自信をつけたということなのだろうか。
これで陸路プノンペンに行く目途が立って一安心。そろそろ夕食をと思いガイドブックを見ると、ホテルに戻る途中にあんかけ麺の店があるようなので、バイクだらけの広い道を苦労して何回か渡って目的の場所まで歩く。ところが、そこは何と喫茶店に変わっているではないか。仕方がなく辺りで一人でも入れそうな所を探し、近くに見つけた「フォー24」という店に入る。都会的で清潔な内装のチェーン店で、東南アジアらしさをあまり感じさせないが、中産階級の増加を受けてこういうスタイルの店が増えていくのだろう。
フォーの味はチェーン店らしく当たり障りのないものだが、苦いコーヒーと甘くて濃厚なコンデンスミルクのバランスが絶妙なベトナムコーヒーを食後に注文して、冷房の効いた店内でゆっくり一休み。店を出たのはすっかり暗くなった18:30。
土曜の夜のサイゴンセンタービル付近はクリスマスのイルミネーションがとても華やかで、たくさんの市民で賑わっている。とんがり帽子をかぶった小さい子供が上機嫌で写真を撮ってもらったりしていて、心が和む。
隣にある大きなスーパーでジュースと菓子を買う。さすが都心のスーパー、観光客も多く、日本語もちらほら聞こえてくる。飲み物を確保して今日の予定は全て終了、ホテルに戻ってテレビでサッカーを見た後、入浴して23時に就寝した。
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