１日目 2004.7.10（土）
出発の朝、目覚めると雨が降っていた。自宅から駅入口までのわずかな距離でも傘なしでは歩けないほどの土砂降りだったので、仕方なく安物のビニール傘を持って出かけるはめになった。関空に到着後、そのまま旅行に持っていくわけにもいかないので、もったいないが置いていく。出発フロアには、同じように置き去りにされた傘たちがあちこちに見られた。これらを到着フロアに持っていき、突然の雨で困っている到着客に無料で提供するようなシステムをつくればいいのにと思いつつ、バカ混みの保安検査場へ向かった。
夏の土曜日だけあって、搭乗の飛行機も満員。チェックインの際に窓側しか空いてないと言われ、ウィーンへ行く客は飛行機に乗り慣れている人が多いのだなと思う。長距離便は通路側の方がトイレをはじめ何かと便利なのに残念。
今回乗ったオーストリア航空はA340。座席配列は2-4-2で、あまり大きな機体ではない。去年のアリタリアのB777と違い、シートテレビがついていないので暇つぶしのゲームもできず面白くない。せめてもの救いはエコノミーの最前列だったため前に椅子がなく、少しだけ余裕があったこと。
シベリア上空の退屈なフライトの後、関空発から10時間50分経過してウィーン・シュベヒャート空港に無事着陸。現地時刻で15時20分。着陸間際に初めて見たオーストリアの地は広大な平野一面に畑が続き、ところどころに風力発電のプロペラがにょきにょき立っているのが印象的だ。
ザグレブ行きの搭乗手続きもすんなりと済み、待合室で座っていると、隣に日本人のオバサン２人組が座ってきた。話してみると、これからブルガリアの山に登るとのこと。世界各国旅慣れているみたいで、色々な場所の話を聞いていると退屈しない。やがて時間になったので、別れてザグレブ行のクロアチア航空に乗りこむ。18時40分発、19時40分着の短いフライトだからか、小型のプロペラ機で、「ブーン」という低いエンジン音や独特の細かい震動も久しぶりだ。
１時間後、予定通りザグレブ空港に到着。この空港はとても首都とは思えないほどの小規模なもので、便数も少ないようだ。ホテルの予約カウンター等もないので、とりあえずクロアチアのクーナに両替してバスで市内へ向かう。車窓から見るザグレブの街は道路が広く、都心部以外はあまり建て込んでおらず、ゆとりが感じられる。
バスターミナルに着いたのは21時前。そろそろ暗くなり始めてきたので、あまりうろうろしたくない。手近なところでガイドブックに載っている駅前のホテルに入ると、部屋が空いていたのでチェックイン。
荷物を置いてほっと一息、テレビをつけてみると、クロアチア版の「クイズ・ミリオネア」をやっていた。言葉は全くわからないが、番組の雰囲気などは日本のものと変わらない。
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