オリンピア遺跡

(Olimbia)

　古代オリンピック発祥の地として世界中に知られているオリンピア遺跡は、ペロポニソス半島北西部、山地にさしかかる谷あいに位置している。
　この地は早くから大神ゼウスをまつる聖域が形成され、紀元前776年ゼウスに捧げる聖典としてオリンピックが始まってからは大いに発展し、全ギリシャから集まる選手と観客のために神殿、競技場のみならずさまざまな施設が建設されていった。
　しかし諸ポリスが衰退し、マケドニア、後にローマの支配下に入っていくとその繁栄にかげりが現れるようになる。そしてローマ皇帝テオドシウスがキリスト教以外の宗教を禁止したのがとどめとなった。オリンピックは紀元後393年を最後に行われなくなり、うち捨てられたオリンピアは地中に埋もれてしまった。
　その後1000年以上の時を経て、自らの文化的ルーツを古代ギリシアに求める近代西欧の学者によって発掘され、再び日の目を見るようになったのだ。
　現在のオリンピアは山地の入口の小さい田舎町だが、遺跡見学客の拠点としてホテルやレストランが軒を並べ、観光客の増加によって古代の賑わいが少し甦った格好といえるかも知れない。
　余談ながら、オリンピアは現代ギリシア語では「オリンビア」（「ビ」にアクセントがくる）と発音する。切符を買ったりする際には、ぜひ地元風の発音を試してみましょう。

有名度　　　★★★★★
雰囲気　　 ★★★☆☆
ユニークさ　★★★★☆
写真写り　★★★☆☆
保存状態　★★☆☆☆
一口コメント：世界史に残る競技場とはいえ、現代オリンピックを思っているとシンプルさに驚くかも。