ディロス島

(Dilos)

　紀元前５世紀、ペルシア軍の侵攻を撃退したのち恒久的な同盟の必要を感じたアテネなどのポリスは、エーゲ海の中央部にある小島デロス島に本部を置いたデロス同盟を締結した。
　もともとアポロンとアルテミスの二神の誕生地として神聖視されていたデロス島はこれにより一層発展し、各地のポリスが大理石の豪華な建築を競うように建てていった。
　この同盟の実権は強大な海軍をもつアテネに握られていき、やがて同盟の金庫がアテネに移されるなど、実質上アテネの海上帝国に変化していく。
　一方、精強な軍事国家スパルタはアテネの強大化に反発、ギリシア全土を巻き込むペロポネソス戦争へと向かっていったのである。
　現在のディロス島に常住人口はない。しかしその分、島全体が遺跡なので古代のロマンを存分に味わうことができる。また気分転換に、海岸からは透明度の高いエーゲ海を眺めるのも楽しい。ただし他の古代ポリス遺跡と同様、2500年も前のものゆえに完全な形で残っているところはなく、想像力で補完するしかないのだ。

訪問アドバイス(2003)　ミコノス島の港から観光船に乗っていくしかない。ミコノスには遺跡がないが、白い家並みがとても美しいのでそちらにじっくり滞在するのもおすすめ。なお、ディロス島には宿泊施設は皆無で、最終の船が出る15時頃までしかいられない。できるだけ朝早く出発した方がいい。

有名度　　　★★★★☆
雰囲気　　 ★★★☆☆
ユニークさ　★★★☆☆
写真写り　★★★★☆
保存状態　★★☆☆☆
一口コメント：2500年前に小島をここまで飾り立てた経済力はすごいが、完全な禿山にした環境破壊もすごい。