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| 大同市街から渾源県へ抜ける途中に低い峠を越える。その山道に沿って三嶺村という小さい集落があり、黄土高原の見晴らしが良い。見渡す限りの斜面には小規模な段々畑が展開し、ところどころに深い雨裂が刻まれた大地に樹木はほとんど見られず、荒涼としている。 山西省を含む華北一帯は非常に古くから文明が栄えた分、森林伐採も早くから進行した。また、年間降水量が400mm程度の少雨かつ極端な夏雨という気候は森林の再生力に乏しく、20世紀にはほとんど消失してしまったのである。 現在の中国は政府ぐるみで森林回復に取り組んでいて、この辺りでも「退耕還林」のスローガンで農地を森林に戻す事業が行われていた。 すぐ下には三嶺村の集落が手に取るように見えている。土造りの質素な家屋が肩を寄せ合うように並ぶさまに、厳しい環境の中懸命に生きてきた人々の暮らしの積み重ねを感じられる。 （2009.4撮影） |
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| 村はずれに一際存在感を放つ版築の烽火台がある。治安の悪かった時代に賊や異民族の襲来といって変事をいち早く報せるべく、見晴らしの良い場所を中心に一定の間隔で築かれたのであろう。 （2009.4撮影） |
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