マンゴ国立公園

(Mungo NP)

　オーストラリア大陸南東部の乾燥した平原に、ウィランドラ湖群(Willandra Lakes)と呼ばれる湖の跡が並んでいる。この地域が今より湿潤であった更新世には浅い湖がいくつも形成されていたのが、乾燥化によって干上がってしまった結果生じたものである。元湖底だった楕円形の窪地は多様な動物の棲息地となっていて、堆積と浸食によって生じたユニークな風景も展開している。
　また、この一帯からは4万年前と推定される埋葬の形跡がある人骨や、2万年前の足跡など考古学上重要な発見がなされ、世界複合遺産に登録されている。
　ウィランドラ湖群の大部分は未開発の僻地にあって訪問は不可能であるが、マンゴ湖の周辺は国立公園に指定され、唯一観光地として整備されている。
　マンゴ国立公園のハイライトは、厚く堆積した砂や泥の浸食によって形成された大小無数の土塔が立ち並ぶウォールオブチャイナ(Wall of China)。そして、さらに奥には波打つ砂丘が延々と続いている。
　その他、19世紀にはここで羊毛の生産が行われ、打ち捨てられた小屋などが開拓時代の様子を伝えている。
　このように、他では見られない景観が楽しめ、かつ自然・人文の両面で価値が高い一級の観光地の要素を備えているが、公共交通機関がないうえに、アクセスが雨天時通行不能となる未舗装路に限られるため、外国人観光客には敷居が高い。現地ツアーに参加するのが手っ取り早いと言える。

行きやすさ　★☆☆☆☆
感動度　　　★★★★☆
スケール　　★★★☆☆
ユニークさ　★★★★★
写真写り　　★★★★☆
一口コメント：広漠とした風景とまたとない奇観が必見だが、アクセスが不便すぎる。