周防高森駅 （岩徳線）

岩国市（旧玖珂郡周東町） 昭和9(1934)年12月１開業 駅舎の向き ： 南南東（夕方以外順光） 駅前広場 ： 立派な広場がある。正面に植え込みがあるロータリー形式。

玄関のファサードが印象的な駅。昭和初期のモダンな雰囲気を今に伝える立派な駅舎といえる。かつての山陽道の宿場町として栄えた土地とはいえ、ローカル線の中間駅にしては大きな駅舎で構内も広いのだが、それには次のような理由がある。 もともと岩徳線は、海岸を大回りしていた山陽本線を短縮する目的で建設され、開通後はこちらが本線となった。ところが戦時輸送強化の必要に迫られると、遠回りでも平坦な方が望ましいとされ、結局一旦は柳井線に格下げされた旧線が本線の座に返り咲いた。新ルートは全通から10年で支線になってしまい、単線非電化のまま現在に至るのである。運賃が本線経由でも岩徳線経由で計算されるのもこの歴史に由来する。ちなみに新幹線は岩徳線に近いルートを通っている。長大トンネルで勾配、曲線を緩和できれば最短距離で路線を引く方がはるかに有利だから当然の話と言えよう。

個人的おすすめ度・・・★★ 　（この駅に訪れるために寄り道する価値あり） 　2006.1 撮影