吉舎駅 （福塩線）

三次市 （旧双三郡吉舎町） 昭和８(1933)年11月５日開業 駅舎の向き ： 西南西（午後順光） 駅前広場 ： 舗装されただけのシンプルな広場がある。

「きさ」と読むちょっとした難読駅名。緩やかに波打つ山々と小さな盆地が続く山間にある駅。この駅を通る福塩線も、カーブを繰り返して点在する盆地の町を結んで走る典型的な中国地方のローカル線である。 駅は山陽と山陰を結ぶ街道沿いに形成された吉舎の宿場町から北へ離れたところに設けられた。そのため周囲には人家や商店が少ないうえ、利用者がマイカーに流れて減少したので高校生の通学時間帯以外は寂寥感が漂っている。 それでも木造駅舎はかなり大きく、往時の賑わいが偲ばれる。屋根が全面トタンに葺き替わっているほか、壁がモルタルで塗りこめられているので素っ気ない外観なのだが、改装からもかなり年数が経過しているのか、これでも幾分風情が出てきている。とは言え、昭和50年代の写真を見ると壁面は黒っぽい板張りで、やはりそのまま残してほしかったと思える。 ※　駅舎玄関付近のアップはこちら

個人的おすすめ度・・・★★ 　（この駅に訪れるために寄り道する価値あり） 　2012.5 撮影